2009年11月06日 00:01
まだ、終わってなかったんですね。
「さあ、召し上がってくださいね。」
「では、頂きます。」
「切れてる」冷麺を頂いてから、一週間。
今宵は、どんな展開が待ち受けているのでしょう。
Yさんの舞台演出が気になるところです。
で、食卓に目を移した瞬間。
「!!!」
こ、これは、一体、どういうことだ・・・。
初っ端から、これは、アリなのか?
一週間前の光景が、フラッシュバックのようによみがえってきます。
「さあ、先生。のびないうちに。」
「・・・冷麺ですね。」
ちょっと待ってくださいよ。
この冷麺。
まさか高島屋で買いだめしたストックでは・・・。
いや、あれから、7日も経っているんだ。
さすがに、新たに買い直されたはず。
何と言っても、「生麺」ですからね、この冷麺は。
「今日は、キムチも控えめにしておきましたから。」
「・・・はい、ありがとうございます。」
うん、確かに。
味は、相変わらず、美味しいなあ。
でも、もともとお酢がベースだから、よく分からないんだよなあ。
微妙な変化が。
でも、いきなり冷麺とは、予想外だったなあ。
これって、先週の口直しって意味かも。
先週は、賞味期限切れだったから。
今宵は、新しく購入された冷麺をって。
なるほど、そうに違いない。
これが、Yさんなりのお心遣いなんだ。
しかし、私の心は、穏やかではありません。
まるで、国会で個人献金問題を糾弾される鳩山総理のように。
何と言っても、相手は、Yさんだからなあ。
気になるよなあ。
でも、訊きにくいよなあ。
何とかカドが立たない訊き方で・・・。
「あのー、先週、頂いた冷麺ですけど。」
「ああ、辛かったでしょ?」
「いえ、辛いのはいいんですけど。」
「はあ」
「買い過ぎちゃって、お困りでしたよね。」
「そうそう、生麺だったから。」
「で、あの分は、もう召し上がられたんですか?」
「えっ?召し上がられたんですかって・・・今、先生、召し上がっているじゃないですか。」
「・・・。」
やはり。
そうだったか。
薄々、そうだろうなあとは、思ってました。
でも、そう思いたくなかったというのが、正直なところです。
「たくさん買われたんですね。」
「そう、でも、あと2袋なの。」
「はあ、あと2袋ですか・・・。」
っていうか、まだ、あったんですね。
「私が、明日と明後日で1袋食べるでしょ。」
なるほど。
この冷麺、結構、ボリュームがあるんですよね。
だから、Yさんは、2日で1食のようです。
しかし、次の瞬間。
予想だにしないひと言が。
「で、先生に来週食べてもらったら、ちょうどお終い。」
はぁ?
えっ?
あのー、もう一回、言ってもらえますか?
なぜ、「私」なんでしょう?
っていうか、それまでに食べてくださいよ、ご自分で。
いつの間にか、私まで「冷麺不良在庫問題」の当事者に巻き込まれているではありませんか。
これでは、私とYさんの共同作業・・・ハッ!
こ、これは、もしかして・・・。
「初めての共・同・作・業」
まるで、「ウエディングケーキへの入刀」ではないか。
未だ独身の私には、何ともスパイスの効いた攻撃。
う~む、やはり恐るべし、黒魔術。
「・・・来週「も」ですか。」
「そう、それできれいに店じまいです。」
店じまいどころか、私の胃腸が自己破産してしまいそうです。
「大丈夫ですかね?」
「えっ、何が?」
「何がって・・・その、冷麺が。」
「ああ、まだ、切れてから、3週間は経ってませんから。」
あっ、そうですかって。
思わず言いかけてしまったじゃないですか。
まるで、3週間以内なら、大丈夫みたいな。
確かに、食品メーカーも多少の余裕は見ているはずです。
例えば、賞味期限が1年もあるなら、3週間超過でもまだ大丈夫でしょう。
しかし、賞味期限が数日しかないものの「3週間」。
これは、事情が違うように思うのですが。
すでに、消費期限さえ、オーバーしているような・・・。
「どうですか?おいしいですか?」
「・・・はい、おいしいです。」
「でしょー。この冷麺はね・・・(後略)」
しかし、そこには、あまりにも従順な私がいたのです。
まるで、ジャイアンリサイタルのチケットを無理やり買わされたのび太のように。
そして、厳(おごそ)かに本日を迎えたわけです。
つまりね、みなさん。
私は、今宵も頂いて来たわけです。
そう、「切れ過ぎてる」冷麺を。
関西でも、例年より早く初冠雪を記録したこの時期。
しかも、頼んでもいないのに、たっぷりと氷まで入れてくれるんです。
気のせいか、心の芯まで冷え切った一日でした。
来週、名古屋での講座にお申し込み頂いたみなさん。
ありがとうございます。
もちろん、みなさんに、お会いできますことを楽しみにしております。
でもね。
そのためには、冷麺が大人しく消化してくれなければなりません。
よろしければ、共に祈って頂けないでしょうか。
もし、志半ばで、私が露と消えることがあったとしても・・・。
墓前に冷麺を供えることだけは、ご遠慮願います。
・・・合掌。
-完-

