Skip to main content.
ショッピングサイト【アクトスモール(ACTOS Mall)】
2009年04月のアーカイブ

2009年04月12日 00:01

はい、盛大に開催されました。


ノドまで酸っぱいものがこみ上げて来そうな切迫した状況。

山盛りのヤキメシを前に、私が出したファイナルアンサーとは?


「では、Yさん、ヤキメシをひと口だけ頂いていいですか?」

「やっぱりお腹いっぱいですか?」

「ええ、ただ、どんなお味か、頂いてみたいものですから。」

「そうですか。」

「で、もしよろしかったら、タッパーをお貸し頂けませんか?」

「持って帰られるんですか?」

「はい、明日、温めて頂きたいと思いまして。」

「あら、そうしてくれます?」

「ええ、せっかく作って頂いた本格的なヤキメシですから、じっくり堪能させて頂きたいと思います。」


そして、胃に詫びながら、ひと口だけヤキメシを頂きます。

Yさんの口調から、特にハムに想いが込められておられるようでした。

「いやあ、さすがに、美味しいですね。」

「そうですか、嬉しいわ。」

「特に、このハムが違いますね。」

「でしょ。そのハムはね・・・(後略)」

これで、無事、丸くおさまりました。


「はい、先生、お茶が入りましたよ。」

「ありがとうございます。いやあ、もうお腹いっぱいですよ。」

「だから、言ったでしょ。ちょっと大変かもよって。」

「はあ、満喫させて頂きました(笑)」


ここで、今回の幕がひかれるはずでした。

水戸黄門で言えば、午後8時45分頃の展開です。

うっかり八兵衛が小ネタで笑いをとって、次回の旅路へとつながる時間帯です。


みなさんも、そう思われましたね?

しかし、今回のドラマ、春の2時間スペシャルだったんです。


濃いめの玄米茶を頂きながら、ひと息ついていたその時。

Yさんの頭上右斜め上45度に電球が光ります。

「あらっ、忘れてたわ。」


一瞬、背筋に悪寒が走ります。

何かは分かりません。

しかし、「虫の知らせ」が、盛んに警告音を発しています。

できたら、そのまま、忘れて頂けないでしょうか。


治療を受けて軽くなられた足取りで、Yさんは冷蔵庫へ向かわれます。

まるで天岩戸から出てきたかのように、その一品は神々(こうごう)しくパックに横たわっていました。

「これは・・・おはぎですか?」

「そう、このおはぎは絶品なんですよ。」


どうやら、以前、登場した同じタバコ屋さんのOさんから頂いたそうです。

どこかの老舗の匠の一品。

ほのかな甘さで、上品で奥深い味わい。

すでに、Yさんは、夕方までに2個食べられたそうです。

「さあさ、デザートは別腹って言うでしょ。」


あのー、この場合、おはぎは、やはりデザートに分類されるべきものなのでしょうか?

もちろん、分かりますよ。

主食でもなく、おかずでもありません。


でも、米じゃないですか。

そう、もち米でしょ?

えっ、米・・・ハッ!


そう、米ですよ、米。

押し寿司→カレー→焼肉定食→ヤキメシ→おはぎ。

何とも国際的・・・いえ、無国籍なラインナップ。

まさに「混沌(カオス)」です。


しかも、お茶まで玄米茶。

米、米、米っ!

一貫して米じゃないですかっ!


う~ん、やられましたね。

東野圭吾も顔負けの見事なプロット(構成、筋立て)です。

お米の消費量が年々減少をたどる昨今。

農林水産省から秋の叙勲に推薦されるかもしれません。

やはりYさんは、只者ではありません。


しかし、このタイミングでのおはぎは、かなり厳しいものがあります。

「あのー、Yさん。私とYさんで、半分ずつ頂きませんか?」

「あら、まだ、もう1パック、あるんですよ。」

「・・・。」


しかし、ここは私が許しても、胃が許してくれません。

なだめて、すかして、何とかYさんと半分ずつ頂くことに成功しました。


・・・終わった。

そう、こうして、胃にも、私にも濃密な一日が幕を閉じたのです。

まるで、「あしたのジョー」の最終回のように、運転席で固まってしまった私。

すぐに、ハンドルを握ることができません。


リクライニングを倒して、休息をとります。

みぞおちに手をあてて、「気」を送り続ける私。

フロントガラス越しの視線の先。

夜空に煌々(こうこう)と輝く春の月を眺めながら・・・。


-完-