2009年06月21日 00:01
いえ、スペルは間違えてませんよ。
えー、みなさん。
私は、携帯電話を持っています。
当たり前ですね。
でも、通話とメールだけなんです。
それ以外の機能は、ほとんど使いません。
待受画面も、初期のまま。
着メロなんて、全く興味なし。
携帯ゲームもやったことありません。
当然、TVも観ません。
そんな私でも、ついに使ってしまいました。
カメラです。
デジカメ機能の封印を解いてしまったのです。
その時、シャッターを押さざるを得なかったのです。
こんなものを見せられては・・・。
そうすることが、納税、勤労に続く国民の義務でもあるかのように。
レジ横に置かれているその商品。
何気なく、見過ごしてしまうところでした。
そこには、マジックやサインペンが並んでいました。
まあ、たばこ屋さんにマジックがあってもいいじゃないですか。
それは、良しとしましょう。
しかし、商品に掲げられていた案内を見た瞬間。
私の体内を一気にアドレナリンが駆け巡ります。
みなさん、用意はいいですか?
先に、トイレを済ませておいてください。
さあ、大きく深呼吸をして~。
はい、コレです。
「サインベン」
みなさん、「ペン」ではありませんよ。
あくまで、「ベン」なんです。
帰国子女の方。
こんなスラング(俗語)をご存知でしたら、是非、教えてください。
この案内を見ても、相当、年数が経過していることが分かります。
つまり、Yたばこ店では、「ベン」として販売されていたのです。
「ペン」など、この世に存在しないのです。
まさに、パラレルワールド。
異次元に存在するもうひとつの世界。
「・・・これは、只者ではない。」
「サインベン」の衝撃の余波が、私をまだ覆い尽くしていた頃。
下段に視線を移した私に、さらなる波状攻撃が襲い掛かります。
「もしや、これは、『ボ』ではなく、『ポ』なのか・・・。」
「ボールペン」ではなく、「ポールベン」。
私の目には、そううつります。
いや、いくらなんでも。
そんな・・・。
しかし、「サインベン」の「ベ」の濁点。
これは、明らかに2つの点がはっきりと打たれています。
比べて、「ホ」に付属しているのは、丸いひとつの塊。
つまり、半濁点だというのか!
「ポールベン」="paul-ben"?
ポールとベンがお友達だとでも言うのだろうか。
そもそも、"ball-pen"の原形が全く消えてしまっている。
首都消失よりも恐ろしい意味消失ではないか。
さらに、新たな衝撃が私を襲います。
「ポールベン」の前に記載されている文字。
私は、こう判読しました。
「不通」
どこかで、土砂崩れでも起きたというのか。
それとも、長年、放置したために、インクが固まって、パイプの中で目詰まり。
つまり、不通だとでも言いたいのか。
いや、もしや、これはサイズの話なのか。
つまり、「普通」だと・・・。
ゆ、許されるのか・・・こんなことが。
21世紀の民主主義国家というのは、かくも懐が深いのか。
しかも、ポールベンの後ろに「小」とまで記載しているではないか。
これでは、普通なのか、小なのか。
見る者を確実に混乱に陥れることだろう。
CIAも顔負けの見事なまでの撹乱(かくらん)作戦。
ひと昔前なら、連合赤軍からお誘いがかかるところだ。
脳内でシナプスが錯綜していた私。
「先生、お待たせ~。」
Yさんの嬌声で、我にかえります。
「あっ、ご準備できましたか。では、治療に・・・。」
異次元の旅からの復帰。
思わず安堵のため息をついた私。
しかし、2時間後。
私は、知るのです。
この時、未だ迷宮(ラビリンス)から抜け出していなかったことを。
-つづく。

