2009年08月23日 00:01
輸出禁止措置を検討すべきかもしれません。
自家製ファンファーレとともに登場した一品。
それが、コレ。
「食べる唐がらし」。
う~ん。
実に、危険なネーミングです。
「これね、福井のよっちゃんにもらったんです。」
「はあ、福井のよっちゃんに・・・。」
おばあちゃん行動学のひとつ。
自分の身内や友達を、当然、相手も知っているかのように話されます。
よっちゃんがどこの誰かは分かりません。
しかし、ここは、軽く流しておくのがベストです。
「ほら、先生、ここ、見て。」
「はあ。」
ココです、ココ。
これまた、Yさんのハートに火をつけてしまうキャッチコピーですね。
「これね、チャーハンやラーメン以外にも何にでもあうんですよ。」
「はあ、試されたんですか。」
「って、よっちゃんが言うの。」
・・・よっちゃん。
私は、あなたがどこのどなたか、存じあげません。
多分、一生、お会いすることもないでしょう。
でもね、Yさんにこんなモノをそんな風に吹き込まれて、あげてしまうのはいかがなものでしょう。
まるで、家庭科の調理実習で、初めて『味の素』の存在を知った小学生のように。
手当たり次第にふりかけられるのは、火を見るより明らかです。
震源は福井だとしても。
遥か離れた大阪の地で。
津波に飲み込まれる名も無き人たちがいることを・・・。
よっちゃん、あなたは、心にとどめておいてください。
「いや、私も試したけど、そんなに辛くないの。」
「はあ、そうですか。」
「おいなりさんでも、ピリ辛があるみたいだし。」
「・・・。」
流れからして、不吉な予感が脳裏をよぎります。
「ちょうどちらし寿司も、お酢が足らないしね。」
お酢が足らないのは、事実です。
でも、それを唐がらしで補うのは、いかがなものでしょう。
「でね、これをこんな風にパラパラと・・・。」
と、勢いよく、ちらし寿司にふりかけられます。
まるで、自分が食べられるのかと思うくらいに。
「・・・色が赤くなりましたね。」
「だって、唐がらしだから。」
ここで、ある疑問が浮かび上がってきました。
果たして、Yさんは、ご自分で、ちらし寿司にコレをかけて食べたことがあるんだろうか?
まさか私だけが実験台になっているのでは・・・。
しかし、悩む必要もなかったのです。
次に続くYさんの言葉に。
「そうそう、きっとおいなりさんにもあうわね。」
あうわね→あうだろう→あうに違いない。
でも、結局、推定の域を出ていません。
やはり・・・。
そう気軽におっしゃるYさん。
まるで、ヤン坊マー坊天気予報のように。
「ハズれたら、ごめんね。」
ってノリですね。
「ささ、先生。お味は、どうですか?」
瞳をキラキラと輝かせ、興味深げにYさんがのぞきこまれます。
まるで、夏休みの自由課題で、セミの脱皮を観察する小学生のように。
ここは、まだリスクの低そうなおいなりさんから。
「んっ、これは、なかなかの組合せですよ。」
「でしょ?だから、何にでもあうんですよ。」
って、よっちゃんが言ってたんですよね。
「じゃあ、先生。ちらし寿司、ちらし寿司。」
これは、あまり気が進みません。
しかし、すでに私の身体に注ぎ込まれているのです。
放射能よりも身体に影響を及ぼすであろう強い視線が。
「ん~、これは・・・ちょっと変わった味ですねえ。」
「あら、そう・・・どれどれ。」
Yさんも確かめてみたくなられたようです。
「こりゃ、あかんわ。」
すぐさま手のひらにご飯を吐きだし、ゴミ箱へ。
もともとビミョーなお味でしたからね(笑)
で、そこから、第二幕『赤い洗礼』が始まるわけです。
Yさんが手塩にかけて育てたお漬物。
そして、ビンの林の中から厳選された保存食材の数々。
果ては、お味噌汁まで。
「はい、先生。これは、どう?」
まるで、椀子そばでも注文したかのように、当然のごとく、次から次へと手渡されます。
そこに私の意思が介入する余地など、全く見出されません。
これは、これで、Yさんの貴重なデータ収集として貢献しているのでしょうか。
一瞬、「人柱」という二文字が、頭をよぎります。
Yさん宅の黒魔術レシピは、そういう先人たちの苦労の結晶なのです。
「あっ、これは、よくあいますねえ。」
「でしょ?何にでもあうんだから。」
って、よっちゃんが言ってたんですよね。
でね、この『食べる唐がらし』。
楽天で探したら、ちゃんとありました。
「信州のおみやげ」と、紹介されてます。
でも、製品表示を確認すると。
やはり福井でした。
お値段も手ごろです。
お試しになられたい方は、是非、どうぞ。
「はい、先生。これ、おみやげです。」
「えっ、いいんですか?」
「よっちゃんね、気を利かせて、2つ送ってくれたのよ。」
「いや、でも、2つしかないのに。」
「大丈夫。すぐによっちゃんに電話して、もっと送ってちょーだいって頼みましたから。」
「・・・。」
新型インフルエンザ並みに、Yさん宅では大流行の兆し。
これで、年内は、「赤い洗礼」が終息することはないでしょう。
「そうそう、先生。もうひとつ、おみやげがあるんです。」
「はあ、あまりお気遣いなく。」
「何を言ってるの。先生のためにちゃんと取っておいたんだから。」
で、それが、予告編で登場したコレです。
果たして、気になるこのビンの中身は、一体・・・?
って、中身より、ビンが気になります?(笑)
-つづく-

