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ショッピングサイト【アクトスモール(ACTOS Mall)】

2009年07月25日 00:01

おごれる平家も久しからず。

盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。


行ってまいりました。

もちろん、Yさん宅です。

Yさんでピンと来られない方は、こちらをどうぞ。

(Yさん伝説:10111213141516171819,)


「こんにちは、谷田です。」

「あっ、先生。ちょっと待ってくださいね。」

その日は、お友達のOさんが油を売り・・・いえ、懇親を深めに来られていました。


「ほら、先生が来られたから、続きは、また今度ね。」

「はいはい、ほな帰るわね。」

「あー、忘れるとこあった。これ、持って帰ってよ、これ。」

「いや、それ、家で漬けはったん?」

「そうそう、いとこから、ええ茄子もらったから、早速ね・・・(後略)」

「あら、ほんま。そりゃ、おいしそうやわ。」

「でしょ?で、この漬け方がまたポイントでね・・・(後略)」

「そうかいなあ。そりゃ、ええこと聞いたわ。」

「あっ、でも、これを忘れたらあかんで・・・(後略)」


すでに、私の存在は、Yさんの視界からは消えています(笑)

ここから長いのが、Yさんの真骨頂。

仕方がないので、店内で待たせてもらいました。


先日、Yたばこ店の商品ラインナップについて、ご紹介しましたね。

その日もバイヤーのような厳しい視線で、店内をチェックします。


「こっ、これは!」

なんと変わっているではありませんかっ!

主力商品であったかっぱえびせんの陳列スペースが縮小されています。


10袋は並んでいたかっぱえびせん。

己が権勢を誇示するかのように、店内で燦然と輝きを放っていた彼。

しかし、今は、2袋しかありません。

まるで、壇ノ浦で戦に敗れた平家のように。

あまりにも無残な凋落(ちょうらく)ぶり。


しかも、増えているのです。

ビスコの陳列スペースが!

「一体どういうことだ・・・ビスコの下剋上ではないのか?」


う~ん、理解しがたい。

そもそも、かっぱえびせんもビスコも売れているとは思えません。

Yさん宅にお邪魔するようになって、かれこれ2年。

でも、目にしたことがないのです。

たばこ以外の商品をお客さんが買うのを。


その証拠に、レジ横のサインベン。

以前から一本も欠けることなく、規律が保たれています。

「そう簡単に売られてなるものか。」

凛としたその雄姿から、確固たる意志が伝わってきます。


なのに、なぜ、主力商品が変わっているのだろう?

かっぱえびせんとビスコの間に何が起こったのか?

もしや、カルビーとグリコの代理戦争が展開されているとでもいうのだろうか?

MBAを持っている大学の先輩にでも相談してみるか・・・。


「あら、先生。早くあがってくださいよ。」

遠い世界に旅立っていた私の意識。

まるでイタコのように、Yさんがこちらの世界に呼び戻してくれました。


「あっ、すいません。では、失礼します。」

居間に足を踏み入れた瞬間。

私の疑問に共鳴するかのように、思わぬ光景が目に飛び込んで来たのです。


「な、なぜ、こんなところに・・・。」

Yさんが帳簿などをつけておられる作業机。

その上に開封状態のビスコが鎮座しているではありませんか。

しかも、机の上には、ポロポロとビスコの粉が広がっています。

まるで、わが王国の領土を見せつけるかのように。


状況証拠から判断して、これは、Yさんの食べさしでは?

すると、今回のお家騒動の発端。

それは、単にビスコがYさんのお口にあったから?

カルビーは、企業努力を怠ったために、主力商品の地位を追いやられてしまったのか。

かたや江崎グリコにとっては、宮内庁から御用達(ごようたし)をもらうより栄誉なことではないか。


しかし、江崎グリコよ。

ゆめゆめ驕(おご)れること勿(なか)れ。

いつ主役の座を他社に奪われてもおかしくないのだ。

この世は、まさに栄枯盛衰。

生々流転(せいせいるてん)の道理をYさんは、暗に示唆されているのではないだろうか。


一見、売り物をおやつがわりにしているようにしか見えないYさん。

しかし、その瞳の奥には、真理を諭す輝きを秘めておられるに違いありません。


「はい、Yさん。終わりました。」

いつもどおり、Yさん→お母さんと施術を終えます。

「ご苦労さまです。ささ、ご飯の用意が出来てますよ。」

もうすでに何十年もともに暮らす家族の夕餉のようです。

いつもながら、そのお心遣いはありがたいかぎりです。


「今日はねえ、メインに豚しゃぶを用意しておいたんですよ。」

食卓には、よく冷えた豚しゃぶが、たっぷりの野菜とともに皿に盛られています。

しかし、どう見ても3人前ぐらいはあるんです。

「誰が食べるんだろうなあ。」

思わずそんな弱音を吐いてしまいたくなります。

答えは、すでに分かっていても・・・。


「あらっ、ごまだれのドレッシングが出てないわね。」

Yさんの鋭い視線が、私に向けられます。

「先生、ちょっと冷蔵庫開けてもらえます?」

ちょうど冷蔵庫のすぐ横に座っていた私。

伏魔殿の封印を解く心境で、取っ手を握ります。


「さすが・・・いつもどおり、満杯だ。」

万里の長城、ナイアガラの滝、そして、Yさん宅の冷蔵庫。

見る者に感嘆の声をあげさせずにいられない圧倒的なボリューム。

テキトーに詰め込んだとしか思えない混沌たる世界。

熊野古道に続いて世界遺産に登録してほしいところです。


「えーと、ドレッシングはと・・・。」

遊園地で迷子を探すように視線をめぐらせます。

ドレッシングは、普通、ドアの内側ですね。

そこは、Yさん宅でも同じです。


「えーと、ごまだれは、どれかな・・・?」

しかし、多いんです。

なにせドレッシングだけで10本近くあります。

とても95歳のお母さんと二人暮らしとは思えません。


・・・と、その時です。

私が捜索に気をとられていたその瞬間。

「あっ、危ないっ!」

思わず体毛が逆立つような危機が私を襲ったのです。

果たして、冷蔵庫に潜んでいた魔物の正体とは・・・。


-つづく。

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