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でないと、入国審査を通過できません。
照喜名先生、いよいよYさんとの初対面。
<照>
第一印象は・・・、とても穏やかで優しそうなオバチャンでした。
そう。本物は、いつだってそうですよね。
限りなく自己主張の少ないそのルックスに、逆に「この人は本物だ」という思いが強くなりました。
<谷>
照喜名先生の目には、そう映ったんですね。
ここは、ちょっと私と違うなあ。
私は、今でも見た目からしてインパクトがあると思っています。
でも、「本物」と見抜かれる洞察力は、さすがです。
で、とりあえず、照喜名先生をご紹介しなければなりません。
「Yさん、突然、すいません。こちらは、沖縄から来られた整体の照喜名先生。」
「大阪でセミナーを開催され、私がお食事やお泊まりのお世話をさせて頂くことになりました。」
「で、照喜名先生とお話しする中で、ふとYさんの話題になりましてね。」
「そんな人情味あふれる方なら、是非、一度、お会いしてみたいって、おっしゃるものですから。」
「失礼を承知で突然お邪魔した次第です。」
私の神様から与えて頂いた能力のひとつ。
その場を「適当にごまかす」というアドリブ産生能力。
どうせ、Yさんは、そんなこと、すぐに忘れられますから(笑)
私の紹介に対して、照喜名先生は。
<照>
これこそ「生きる辞書」
「あることないこと」という言葉は、こういう状況を指すんですね(笑)
<谷>
お褒めの言葉として、受け止めさせて頂きます(笑)
ちなみに、私が得意なのは、
「あることないこと」
よりも
「ないことないこと」
であることを付け加えさせて頂きます。
<照>
「あら、沖縄からいらしたの。でも私は今は大阪だけど元々は高知県の出身で云々・・・(約3分)」
出たーっ!!
まなブログYさん伝説で頻出する、Yさんの言葉尻の「云々・・・」という表現。
いきなり出ました。
実はこの「云々・・・」の中身こそがYさんの伝説たる所以なのですが、
エンターテイナーの谷田先生でもそこを端折りたくなるお気持ちは、よくわかります。
<谷>
分かって頂けました?
ほんとに「・・・(後略)」だったでしょ?
<照>
そこまで書いてたらキリがないんです。
<谷>
ほんとにそうです。
ただでさえ、執筆するのに、1話につき2~3時間かかってますからね。
毎回、「・・・(後略)」の中身を書いてたら、「伝説の語り部」が私の本業になってしまいます。
「それで、ええやん。」
っていう温かいご声援が聞こえてきそうですが・・・。
<照>
で、何がすごいかというと・・・
<谷>
おっ、早速、Yさんの偉大さに気付かれましたね。
<照>
まず、初対面で、しかも沖縄から来たという人を相手に、
わずか5秒後には自分の話を始める。
<谷>
なるほど。
そう言われてみれば、それはなかなかできませんよね。
<照>
そしてその話が長い(3分)
<谷>
そうでしたね。
息継ぎしてませんでしたよね(笑)
<照>
そしてここからが本当にすごい所なのですが、
<谷>
はいはい、何でしょう?
<照>
その話を「途中で切る」という選択肢は、こちらにはないのです。
<谷>
そう、そこなんです!
その他にも「箸先を自由に運ぶ権利」など、
様々な基本的人権は、認められていません。
<照>
絶対に話を切れないような空気がそこに生まれるのです。
<谷>
いやあ、出会って早々に、そこに気付かれましたか。
正確には、「切れない」のではありません。
「切ろうとも思わない」ように、「傀儡(くぐつ)の術」がかけられているのです。
<照>
うーん、ここが言葉の限界。
なんでかって突っ込まれても、だってそうだからとしか答えられません。
実際お会いして経験していただければわかることだとしか言えません・・・
<谷>
そう、こればっかりは、ほんとにそう。
これは、脳で論理的に判断できるものではないからです。
原始的な生命感覚でのみ、察知されるものではないでしょうか。
霊験あらたなか神仏の前で、思わず身が引き締まるような・・・。
こればかりは、体験してみないと分かりませんねえ。
<照>
僕はもっと見た目も派手で、そして早口の関西弁でまくしたてるようなオバチャンを想像していました。
<谷>
ああ、これは、Yさんファンの方でも、ほとんどそう思っていらっしゃるんじゃないでしょうか?
<照>
でも、実際は違った。
見た目は穏やかで優しそうな印象。
そして、口調もゆっくりです。
<谷>
そう、そうじゃないんです。
「Yさん伝説」をただのネタだと思っていらっしゃるかぎり、
そこからは、脱却できないことでしょう。
<照>
で、約3分で自己紹介(というか高知の紹介)を終えたあとに、質問がきました。
<谷>
そう、来ましたね。
いかにも、「いちおう」ってかんじでしたよね(笑)
<照>
「で、いつ大阪にいらしたの?」
最初に谷田先生が「今朝大阪にきた」って紹介したはずなんですが、
そんなことYさんが覚えているはずもない。
<谷>
当然、そんなことを期待してはいけません。
<照>
「今朝きました」
「へぇ、そう。おつかれさまです。沖縄ね。沖縄といえば、キレイな水族館があるわね。あそこが出来たばっかりのときにね、旅行に行ったの。その旅行というのは云々・・・(約2分)。それですごくキレイで見とれちゃって、ゆっくり見てたら一緒にまわってるはずの仲間がみんないなくなってて、困ってたらJTの課長さんが待っててくれたのよ。あっはっは!」
<谷>
補足しておきますね。
「JT(日本たばこ産業)=ジェイティー」ですね。
しかし、この場合、「ぜぇてぃー」と発音してください。
「私もいつかYさんと会話してみたい。」
という方は、必修です。
ここで、『おばあちゃん語辞書』を引いてみましょう。
通常、「T」は「てー」と発音されます。
しかし、そこは「ハイカラ」なYさん。
ちゃんと「てぃー」と発音されているわけです。
あっ、「ティー」じゃないですよ。
あくまで、「てぃー」ですから。
しかし、「ジェイ」はいけませんね。
日本のシルバー層には、優しくない発音です。
もともと日本語に「ジェ」と発音する単語が少ないですからね。
検証してみると、「銭(ぜに)」=「じぇに」という読みがありますね。
つまり、「ぜ」=「じぇ」は振替可能なのです。
例えば、「ジェントルマン」⇒「ぜんとるまん」となります。
これがあってこそ、サインペン⇒サインベン、ボールペン⇒ポールベンの伝説が生まれたわけです。
さらに補足しておきますと、
この時、Yさんが見とれていたのは、「ジンベイザメ」であったそうです。
<照>
「はぁ。そうですか。」
いや、「そうですか」としか言えないですよ。
<谷>
おっしゃるとおり。
Yさんの自叙伝以外の何物でもありませんからね。
<照>
Yさんはタバコ屋さんなので、JTから旅行に招待されたみたいなんですね。
それは後で谷田先生から聞いたことなんですけど。
JTってそういう顧客サービスもやってるんですね。感心。
<谷>
だって、何回も拝聴しておりますので(笑)
<照>
そういう説明は一切なしに、一気に沖縄旅行、しかも水族館の思い出をゆっくりと語り始めるわけです。
<谷>
語られちゃいましたね、しっかりと。
<照>
初めて会って5分しか経っていない僕に、
沖縄旅行・・・水族館の感想と「課長を待たせた」という武勇伝を、
少し得意気にお話しされるYさん。
<谷>
ほんと得意げでしたよね(笑)
<照>
普通、特に初対面の相手だったら、相手の情報を引き出して、
そしてそれを元に会話を構成するなどして、話を合わせようとするじゃないですか。
<谷>
そうですよね。
それが、普通ですよね。
私でもそうします。
<照>
沖縄の人が大阪でセミナーをやったって言われたら、
例えばどんなセミナーだったのかとか、どこでやったのかとか、そういう話になりませんか?
「今度はわたしも参加してみたいわ」って社交辞令のひとつも言ってみたりとか。
<谷>
後日、そういう分析を冷静にできる照喜名先生が素晴らしいと思うのは私だけでしょうか?
っていうか、ずっと頭の中から離れなかったのでしょうか(笑)
<照>
でも、そういうの一切ないんですよ。
ほぼ全て自分の話。
「それを聞かせて僕にどうしろっていうんですか!」っていう話。
<谷>
別にどうもしてほしくないんですよね(笑)
ただ、しゃべりたいから、しゃべっただけ。
<照>
Yさんが僕の情報として知っているのは、沖縄から来たという、ただそれだけなんですよ。
たぶんそこに来る前にセミナーをやったことなんて、もう記憶から無くなっていたと思います。
<谷>
ええ、哀しいかな、未だにお名前も覚えていらっしゃいません。
「沖縄の先生」として、すでに戸籍登録されたようです。
<照>
記憶にとどめようとも思ってないでしょう。
だって、そこに興味はないから。
ただ沖縄というキーワードには関心を示し、
その関心はご自分の過去の思い出を引き出すためのエサにしか過ぎないのです。
<谷>
いやあ、鋭いところ、突きますねえ。
そのとおり、なんですけど(笑)
と言っても、照喜名先生は、それを批判されているわけではありません。
<照>
で、すごいのは、そこに一切の嫌味を感じないというところ。
<谷>
そこですよね、そこなんです。
<照>
淡々と自分の話しかしないYさんなんですが、全く威圧感も押し付けがましさも嫌悪感も感じないんですね。
ただただ「ポカーン」って感じ。
もう完全に自分のペースに引き込むんです。
<谷>
これも、実際に体験した方しか分からないでしょうね。
引きずり込まれることに、快感さえ覚えてしまいます。
<照>
たぶん、誰が相手でも対応の仕方を変えない人なんでしょう。
<谷>
あっ、それ正解です。
ほんとに誰が相手でも一緒ですから。
考えてみたら、これって、すごいと思いません?
普通、できませんよ。
<照>
肩に力の入らない淡々とした口調で、誰が相手でもただひたすら自分の興味のあることしか話さない。
だから嫌味がない。うん。素晴らしい(笑)
<谷>
ほんと初対面で、そこに気が付かれますか。
どれだけ、Yさんのことにエネルギーを費やされたことでしょう(笑)
いえ、「費やさざるを得なかった」のかもしれませんね。
<照>
「あるがまま」ってこういうことなんだなって。
言葉でいくら「あるがまま」を説明されるより、
「あるがまま」を生きている人と直接お会いするのが一番早いです。
<谷>
「自然体」って、口で言っても、なかなかできませんよね。
いろんな執着が足を引っ張ります。
<照>
本当に「あるがまま」を生きている人って、それがどんなに常識はずれな言動でも、許せてしまうんだなって。
<谷>
「ポツダム宣言」
私は、そう呼んでいます。
Yさんにお会いした瞬間、まさに突き付けられるのです。
無条件で全てを受け容れられるかどうか?
受け容れられないなら、Y家の敷居をまたぐことは許されません。
ここは、独立国家なのです。
モナコよりも小さな主権国家。
しかも、「治外法権」。
日米地位協定なんか問題にならないくらいに。
まあ、実際にお会いすれば、受け入れざるを得ないんですけどね(笑)
それは、あなたの執着を脱ぎ捨てるチャンスなのかもしれません。
おっと、少し横道に逸れちゃいましたね。
しかし、Yさんの水族館訪問の話は未だ終わる気配を見せません。
<照>
ただ、初心者の僕には話を切るタイミングがつかめない。
<谷>
これはね、無理だと思いますよ(笑)
<照>
運動神経の鈍い人が大縄跳びに入るタイミングをつかむより、難しい。
<谷>
いや、うまいですねえ。
まさに、そんな感じですよね。
<照>
でもそこはさすが谷田先生。
うまいタイミングでこれまた嫌味なく話を切り、なんとか店を出ることに成功しました・・・。
<谷>
伊達に、身体を張って、2年もお邪魔してませんので(笑)
確かに、そのタイミングは、0コンマ数秒しかないんです。
だから、あらかじめ、話の展開を予測するわけです。
そして、その一瞬を息を詰めて狙っていないと、見過ごしてしまいます。
昔なつかしのインベーダーゲームのUFOを撃ち落とすより、熟練の技が求められます。
<照>
そして今週末、僕はまた大阪に行きます。
そして土曜の夜・・・なんとYさん宅の食卓に招かれているのです!!
<谷>
ええ、それが、昨晩です。
確かに、その雄姿を見届けさせて頂きました。
昨晩の照喜名先生。
神経が昂ぶって、アルコールの力を借りないと眠れなかったそうです(笑)
<照>
谷田先生があることないこと(たぶん9割ないこと)をYさんに吹き込んで、
Yさんのハートにしっかり火をつけてあるそうです・・・。
<谷>
そう、危うく私にも引火しかねないくらいに燃え盛っておられましたね。
はい、メラメラと。
「照喜名先生は、子どもの頃からビスコが大好物で、店に足を踏み入れた瞬間、運命的な出会いを感じられたそうです。」
「ひとり暮らしをされていて、愛情のこもった手料理に飢えていらっしゃるみたいです。」
「もし、Yさんの手料理が食べられるなら、2~3日前から断食されるそうです。」
「ないことないこと」とは、こういうことを指します。
ここは、心を鬼にして、ホストとしての義務を全うしなければなりません。
こうして、黒ミサの祭壇は、準備万端、組み上げられたのです。
後は、生贄・・・いえ、照喜名先生が捧げられるのを待つだけです。
この時、障子越しに包丁を研ぐYさんの影が垣間見えたのは、私の錯覚でしょうか?
<照>
・・・一応セミナーを受けに行くのが大阪のメインの目的ですよ。
<谷>
「昼間受講したセミナーの内容、すっかり忘れてしまいました。」
昨晩、そうおっしゃってましたね(笑)
そう、セミナーじゃないんです。
再び大阪に来られた真の目的は。
まさに、見えない力に導かれて来られたのです。
そう、ビスコで、さらに「つよく」なった魔力で(笑)
さて、その照喜名先生のYさん宅上陸作戦とは!?
そして、無事、生還できたのか?
続編は、照喜名先生の告白手記を待つことに致します。
なお、これまでの手記については、照喜名先生のブログ「こころとからだ」より引用させて頂きました。
・Yさん体験記1
・Yさん体験記2
・Yさん体験記3
では、みなさんも一緒にお祈りください。
「リハビリ中」の照喜名先生の一日でも早い快復を。
そして、ついにペンを執られるその時を。
第一部 -完-
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