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もしかすると、そのチラシの山の向こうにいらっしゃるかも・・・。
無事(?)に、Yさん宅を後にした照喜名先生。
当日は、わが治療院の待合室でお泊りです。
帰りの車中、そして、スーパー銭湯、寝る前のひと時。
常に、話題は、Yさん一色。
「まだ、何が起こったか、自分でもよく分からないんです。」
「そうでしょうね。脳が処理できないほどの情報が一気に流れ込んで来ましたからね。」
「そう、まさにそんな感じです。」
「でも、とても素晴らしい対応だったと思いますよ。」
「えっ、そうでしたか?」
ええ、まさしく照喜名先生の対応は、なかなかのものでした。
いつか私も食卓にチャレンジしてみたい。
そんな方のために、今回の上陸作戦を振り返ってみましょう。
照喜名先生は、今回の作戦決行に先立ち、しっかりと予習を積んで来られました。
過去の伝説をくまなく読み返されたそうです。
さすがですね。
しっかりと、ポイントを押さえていらっしゃいました。
<照>
いよいよYさんのお料理に箸をつけるときがやってきました!
しかし、Yさんのお料理をいただくにあたって、鉄の掟があります。
それは・・・
①各料理への思い入れ(材料・調理法など)をしっかり聴く
②指示通りの食べ方をする
③食べたら、絶賛する
<谷>
はい、おっしゃるとおり。
間違いありません。
このローテーションを守っているうちは、大丈夫です。
Yさんのご機嫌を損ねることはありません。
<照>
一度感想を述べた料理は、手をつけなくても大目に見ていただけることは、わかりました。
<谷>
そう、無理に全部を食べなさいとは、決しておっしゃいません。
ただ、「おいしいです。」という喜びの声を聞かれたいだけなのです。
これは、無事、生還するためには、非常に大事なポイントです。
<照>
この3つの鉄の掟は、何もYさんに強要されたものではありません。
そして掟をやぶって怒られたから、反省して守ろうとしたわけでもありません。
<谷>
そうですね。
Yさんは、決して強要されません。
しかし・・・。
<照>
絶対にそうしなきゃいけないだろうなっていう空気がそこに出来ているのです。
<谷>
そう、そこですね。
Yさんが「空間を支配している」というのは、そういうことなのです。
<照>
そうせざるを得ない空気感なんですが、
それは抑えつけるような圧力ではないので、反抗心も出てきません。
もう「そうするほかに選択肢がない」という状態なんです。
<谷>
これを「波動の共鳴」理論で考えてみましょう。
人の意識とは、エネルギーであります。
それも、振動するエネルギーです。
そこには、一定の周波数=波動が存在します。
イライラしたり、疲れている時は、波動が低くなります。
感謝したり、瞑想したりしている時は、波動が高くなります。
通常、私たちは、頭で損得勘定を考えながら、生活しています。
見栄や世間体も働きますね。
それは、本心からの根源的な要求とは、かけ離れたものである場合が多いと。
私は、そう考えます。
やはりその時の波動は、エネルギーの出力としても弱いんだと。
しかし、Yさんは、本心に忠実です。
だから、より生命の根源的な要求に近い活きたオーラを発していらっしゃるのではないかと。
当然、波動エネルギーの出力も強い。
だから、頭で考えて発せられる弱い波動は、それに共振されてしまうんだと。
<照>
ここまで完全に相手の自我を喪失させ自分の世界に引き込む人。
もちろんお会いしたことがありませんでした。
<谷>
私も同じくです(笑)
ただ、自我を「喪失」させるというよりも。
執着から「解放」してくれるのかもしれませんね。
照喜名先生には、上陸作戦決行に際し、こう助言させて頂きました。
「あるがまま」
「なすがまま」
「されるがまま」
これが、一番ダメージが少ないと。
ガンジーの無抵抗主義。
照喜名先生は、そう受け取られたようですね。
ただ、あまりにも無防備でしたね。
見ているこちらがいたたまれませんでした。
これは、少しでも早く楽にさせてあげないとって(笑)
相手を意のままに操ってしまう黒魔術。
その魅力の原因を照喜名先生もつかまれたようです。
<照>
前回の体験記でも出てきた、沖縄の美ら海水族館の話も、また出てきました。
(中略)
とにかくYさんは、美(ちゅ)ら海水族館の「ジンベエザメ」に夢中だったそうです。
それを、「今日幼稚園であった楽しかった出来事」をお母さんに話す園児みたいなピュアな目で話す、Yさん。
70歳を超えてあの目はなかなかできないですよ。
これはあまり言いたくないですが・・・かわいかった(笑)
<谷>
「水槽にへばりついてジンベイザメに心を奪われる図」
をYさん自ら再現してくれたんです。
この時のYさんの表情。
一生、忘れることはないでしょう。
私も、照喜名先生も。
口を半開きにされてね。
ほんとエクトプラズム(気化した魂)が抜け出しているのかと(笑)
何よりその瞳。
目がね、すごくきれいなんです。
透き通っているんですよ。
「目は魂の窓」
東洋医学では、そう言われています。
目にダイレクトに表れるんですね。
Yさんも過去にいろいろつらい経験をされておられます。
お若い時は、いろんな執着をお持ちであったことでしょう。
しかし、古希を越えて、あの曇りない瞳。
一種の悟りの境地に至られたのではないかと思うわけです。
照喜名先生も同じようなことを気付かれたようです。
<照>
人の心を動かす最大の秘訣は「ピュア」なのかもしれません。
ですが、当然Yさんは「ピュア」を演じているわけではありません。
自覚がある時点で、ピュアではないですから。
こどもは自分がピュアであることを自覚していないように、Yさんもまた然り・・・なのです。
<谷>
ああ、これは、真理ですね。
いやあ、実に鋭い洞察です。
<照>
絶対どこかで相手の機嫌を気にするじゃないですか。
「こんなこと言ったらどう思われるだろう」って。
それが全くないと言い切れる方、いますか?
Yさんはね、全くないんですよ。
だからYさんなんですけど。
悟ってますよ。ある意味。
<谷>
やはり「伝説の人」だったんですね。
Yさんとのご縁。
出会うべくして、導いて頂いたんだと思えます。
で、照喜名先生は、Yさんへのマッサージでも気付かれたことがあるようです。
<照>
股関節が悪くて自由に身動きがとれないYさん。
それでも僕なんかのためにお部屋を掃除していただき、
とても胃袋に収めきることのできないほどのお料理をつくっていただきました。
そんなYさんは、自分で自由に動き回れない分、助けてくれる人たちが周りにたくさんいらっしゃるようです。
うまくできてますね、世の中。
<谷>
Yさんは、歩行が不自由になられる前は、今以上に活動的でいらっしゃったそうです。
それは、容易に想像できますね(笑)
Yさんは、エネルギッシュなうえに、多才なんです。
お琴の師匠であるだけでなく、書道もたしなまれます。
四柱推命や陰陽五行にも造詣が深いのです。
まさに文化人であり、教養人なんです。
また、お仏壇や神棚へのお供えや手入れもマメにされています。
信心深い方でもあります。
だからね、何でもできたと思うんです。
そう、ご自分で。
神様は、そんなYさんにプレゼントを贈られたのではないかと。
人の助けを借りないと生活できない身体を。
そんな多才でエネルギッシュな人。
さらに、感謝と謙虚さを身につけられたらどうでしょう?
それを身につけられるほど、自我の執着から解放されたのかもしれません。
そうそう、ここで、「Yさん用語」をひとつ。
「第三の手」
いつかは、私も上陸したいと言うあなた。
しっかりメモしてくださいね。
Yさんは、歩行時に杖が欠かせません。
家の中でもそれは同じ。
で、股関節に障害があるので、かがめないんです。
床に落ちたものを拾えない。
また、家事をするにしても、できるだけ、動く歩数を少なくしたい。
そこから、身につけられた技が「第三の手」。
杖を器用に使われます。
床に落ちたモノをヒョイと拾い上げられたり。
床にあるモノを移動させたり、スイッチを押したり。
また、ベッドで寝ておられる時。
「孫の手」が「第三の手」になります。
テレビやエアコンのリモコンを手元に引き寄せたり。
服や靴下をカゴに入れたり、取り出したり。
お見事としか言いようがないですよ。
で、私も同じ。
いつの間にか「第四の手」になっていました(笑)
もちろん、強要されたわけではありません。
自らそうしたくなるんです。
照喜名先生にお話すると。
「じゃあ、僕は第五の手で。」
こうして、手を差し伸べてくれる人がどんどん増えていっているわけですね。
いつかYさんは、「千手観音」になられることでしょう。
実は、「第三の手」には、名付け親がおられます。
Yさん宅に定期的に往診に来られている開業医のF先生。
Yさんとは、20年来のお付き合いだそうです。
私は、まだ、一度もお会いしたことがありません。
しかし、Yさんの口からよくお名前をうかがっています。
そのF先生。
Yさんがあまりにも器用に杖や孫の手を使われるのを見て、ネーミングされたようです。
で、このF先生。
ほんとセンスがある方なんです。
Yさん宅の寝室兼居間。
当然のことながら、混沌の世界です。
雑誌や新聞、伝票など、山のように積まれています。
鉛筆やボールペンと同じカゴにシャネルの香水が突き刺さっていたりします(笑)
食べ差しのお菓子やすでに空になったティッシュの箱など。
驚いたのが、お金。
千円札を丸めて、輪ゴムで止めて束にされています。
それが、むき出しのまま、そこらあたりにあるんです。
その居場所も、毎回、まちまちです。
「先生、ちょっとお金、取ってもらえます?」
って、よく頼まれますし(笑)
で、F先生は、その空間にもネーミングされています。
「うまいっ!」
私は、耳にした瞬間、そう叫んでしまいました。
まさに、コピーライター顔負けのセンス。
さあ、いきますよ。
そのネーミングとは・・・
「野戦病院」
ねっ、ウマ過ぎませんか?
私たち、医療関係者から見たら、まさしくそうです。
いやあ、これは、今年の流行語大賞にエントリーしてほしいですね。
それを平気でYさんの目の前で言えるF先生。
信頼関係の深さがよく分かりますね。
と、まあ、いろんな方が、自ら手を差し伸べたくなるYさんなんです。
<照>
・・・なんか良い話になってきましたが、Yさんはとても魅力的な人です。
<谷>
そうですね。
その魅力が、魔力の源泉です。
<照>
・・・ただ、通うとなると月に1日が限界です。僕は。
<谷>
ああ、そこ、そこ。
そこですよ。
みなさん、よく聴いておいてくださいね。
<照>
Yさん、ありがとう。
僕はあなたから多くの生きる智慧を学びました。
ただ、今週の土曜日にもう一度行けと言われても、絶対にムリです。
<谷>
そうでしょう、そうでしょう(笑)
よ~く分かりますよ、その気持ち。
<照>
それを毎週当たり前のようにこなし、その経験を伝えることに使命感を燃やしている谷田先生には頭が上がりません。
<谷>
ああ、ここは注意が必要ですね。
別に、「当たり前」でも、「使命感を燃やしている」わけでもありません。
そうせざるを得ないから、しているだけなんです。
ここは、誤解してもらってはいけませんね。
あっ、そうそう。
今回の上陸作戦における照喜名先生の告白手記はこちら。
・Yさん体験記~食卓編~
・Yさん体験記~食卓編~ その2
・Yさん体験記~食卓編~ その3
・Yさん体験記~食卓編~ その4
折箱に詰められたおかずも写真入りでアップされてますよ。
是非、ご覧ください。
<照>
これからのまなブログでの「Yさん伝説」・・・しばらくはギャラリーとして楽しませていただきます。
谷田先生の身を削りながらのレポート、楽しみにしております。
<谷>
ねっ、これですよ。
所詮、照喜名先生は、ゲストですからね。
私が、多少熱烈な援護射撃をしたところで、その日だけですものね。
毎週、過酷な戦線をくぐり抜けている私にしてみれば・・・。
ハッ!
ちょっと待てよ。
そのおかげで、私は、かなり打たれ「つよく」なったのではないだろうか?
しかも、量は半端でないとしても、確かに料理は「おいしい」。
これは、まさにビスコのキャッチコピー。
「おいしくて、つよくなる」
を具現化しているのではないだろうか?
なんと、なんと、奥の深い・・・。
実は、それさえも、Yさんの手のひらの上で踊っているだけなのでは。
う~む、あらためて恐るべし、黒魔術。
こうして、2009年10月3日(土)の夜は、幕を閉じました。
この夜。
私は、今の仕事を続けていく上で、大きな気づきを得ることができました。
これも、大きな犠牲があってこそ。
照喜名先生、ありがとう。
あなたの遺志は、しっかり引き継がせてもらいます。
-合掌。
そして、今後も刻み続けられることでしょう。
新たな伝説の1ページが。
私の胃腸の叫びとともに・・・。
-完-
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