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でも、長持ちさせることがポイントです。
「先生っ、細くなっているんです!」
着替えを終えられたOさんが、そうおっしゃいました。
「えっ、何がですか?」
「ウエストです、ウエスト。隙間が出来てるんです。」
「えっ、ほんまですか!?」
Oさんは、30代の女性。
奈良県にお住まいです。
けど、お勤めが堺市の近くなんですね。
だから、いつもお勤め帰りに来院されます。
で、施術を受けられる時には、着替えを持って来られます。
これは、助かりますね、私としては。
やはりゆったりした服装のほうがやりやすいですからね。
だから、施術が終わると、いつもトイレで着替えられるんです。
「効果がすぐ出たってかんじで、びっくりです。」
「はあ、ほんとですね(笑)」
それが、二週間前のお話。
で、今宵もご来院されました。
「実は、先日、帰宅後にね、もう1回、驚いたんです。」
「ほお」
「お風呂に入る時にね、鏡を見たんです。」
「ええ」
「そしたら、顔までやせてたんです。」
「えっ、顔もですか?」
「そう、ほんと全身ですよね。」
で、翌日、お仕事に行くと、お客さんにも言われたそうです。
「何か顔がすっきりしたね?」
「今日は、何かきれいやなあ。」
「エステでも行ったの?」
「普段は、どやねんっ!」
って、ツッコミを入れたくなりますね(笑)
そうやって、みなさんから言われたものだから、Oさんも嬉しかったみたいです。
「これって、腎ですか?」
「ええ、腎もそうだし、脾も関係してますよ。」
Oさんの診断は、脾虚です。
簡単に言えば、消化器系ですね。
数年前の食事療法がきつかったみたいです。
よく無理なダイエットをして、脾虚になる方がいらっしゃいます。
痩せたことは痩せたとしても、いかにも身体に悪い痩せ方。
血色は悪いし、元気はないし、脈は消えかけ。
脾は、消化の親分ですが、「統血(とうけつ)」も担当しています。
「血を統(す)べる」、つまり、血液配分をコントロールするんですね。
脾虚の方に、貧血が多いのも頷けます。
また、無理なダイエットが原因で、無月経になられる方もいらっしゃいますね。
Oさんは、ダイエット目的ではありませんが、厳しい食事制限がたたったようです。
脈も細いし、脾経の虚が目立っていました。
しかし、生来の体質は、腎虚。
慢性的に腰が重だるく、頻尿の傾向が見受けられました。
当然、腎経に対する施術も行いました。
けど、まずは、脾ですね。
脾は、食べ物から得た気を五臓六腑に配分する役割を持っています。
つまり、脾が元気にならないと、始まらないんです。
たとえば、この場合は、腎虚。
でも、いきなり鍼やお灸で腎を補っても、十分、回復しないんです。
腎に供給される「気」が、絶対的に不足しているからです。
だから、肝だろうが、肺だろうが、関係ありません。
とにかく、まずは、脾を元気にすることから、始めます。
私の存じ上げている鍼灸の先生でも、いらっしゃいますよ。
どんな症状でも、まずは、足三里に鍼を打たれる方が。
足三里、胃経の代表的なツボですね。
Oさんも、そうですね。
当面は、脾虚をメインに、腎を補っていく。
そんな方針でしたね。
腎は、水を主(つかさど)ります。
過去記事でも、たくさん出てきましたね。
特に、Oさんが違和感を感じているのは、左の腎。
左の腎臓は、水分代謝や尿の生成を行っています。
まさしく水を循らせる働きを担っているわけです。
つまり、腎が活性化するとね。
体内の水が、サラサラとスムーズに流れ出すんです。
だから、別に、ウエストやフェイスラインをマッサージする必要はないんです。
お任せしておけばいいんですね、元気になった腎臓くんに。
自然と、むくみがとれてしまいますから。
よくエステでは、リンパマッサージをしてくれますね。
耳下腺や腋窩腺に向けて、リンパ液を流されます。
当然、すっきりしますよ。
むくみもとれて、引き締まるでしょうね。
でも、それは、自分の力ではないんです。
あくまで、他力。
けど、エステはそれでいいんでしょうね。
治療じゃないんですから。
あくまで、「夢」を売る商売ですから。
と言って、鍼灸なら、完璧かと言うと、そうではありません。
施術により、腎臓くんが元気になって、内からそうなったとしても。
また、腎臓くんが弱ってくれば、結局、同じこと。
エステよりは、多少は長持ちするかもしれませんけど(笑)
何度も申し上げてますが、鍼灸はあくまでお手伝いでしかありません。
ご本人の自然治癒力を活性化するだけ。
もともと、ご自身の生活習慣や感情の乱れなどが原因で起こった症状。
だから、鍼灸師の私が治せるわけがないんです。
「現代医学は、対処療法だ。」
東洋医学を好まれる方や業界関係者が、よく言われます。
「それに比べて、東洋医学は、根本治療だ。」と。
でもね。
鍼灸師の私が言うのも、何ですけどね。
私は、鍼灸も対処療法だと思っています。
そりゃ、違いはありますよ。
「人も自然の一部である」と考える哲学であったり。
患部や症状だけを見ず、全身の気のバランスを調えたり。
しかし、あくまで、「他力」です。
弱って、痛いし、つらいのは分かります。
だから、一時的に、専門家の力を借りるのは、いいですよね。
アドバイスを受けられて、上手く活用されてほしいものです。
けど、最後は、自分です。
意識は、「自力」でないと、治ることはありません。
一時的に、症状が鎮静化したところで、また、出て来ますからね。
形を変えて。
「なるほど。やっぱりそうですよね。」
「ええ、せっかく、お喜びのところ、水を注すようですが。」
「いえ、ほんとそうだと思います。」
「頼りにして頂けるのは、ほんと嬉しいんですけどね。」
「依存しちゃいけないんですね。」
「ええ、長い目で見て、ご本人のためにね。」
Oさんが、定期的に来院されるのもね。
もちろん、体質改善を図られてるんですよ。
けど、それだけではないと思ってます。
ええ、勝手に(笑)
友達感覚で会いに来てくれてるんですよ。
「今日は、この水が私にあうか、脈診でチェックしてほしいんです。」
「ほお、それは、おもしろそうですね。」
私は、この適度な距離感が大事だと思っています。
信頼して頂きたいですけど、依存されては困ります。
あくまで、「お手伝い」の枠を超えないように。
「自力」の意識をお持ちの方は、経過もいいですよ。
Oさんは、脾虚特有の「甘いモノ症候群」から脱け出されたようです。
「なんか最近、甘いモノをそれほど食べたくなくなってきたんです。」
ああ、これは、嬉しいですね。
今後の経過が、楽しみです。
そうそう、この記事をご覧頂いたからと言って。
来られても困りますよ、ダイエット目的で(笑)
あくまで、それは、結果の話。
なるべくして、そうなったということですから。
う~ん、今宵も再認識させてもらえましたね、自分の方向性を。
Oさん、ありがとうございました。
では、今宵は、このあたりで。
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