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しーとーぴっちゃん。
それは、あまりにも切ない物語。
行ってまいりました。
Yさん宅です。
「Yさん」でピンと来られない方は、こちらをどうぞ。
(Yさん伝説:1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49)
おかげさまで、今宵で伝説も50話を迎えることができました。
あらためて、読者のみなさまに感謝致しますとともに、
私の胃腸も褒めてやって頂けないでしょうか(笑)
さて、今宵は、いつもの「お食事編」ではありません。
施術中、Yさんとの会話から頂いた深~い気づきをご紹介させてください。
以下、Yさんのお話をもとに再現させて頂きました。
Yさんは、先日、近鉄百貨店へお買い物に行かれました。
といっても、用があったのは、地下の食料品フロアではありません。
1Fの化粧品売り場。
向かわれたのは、シャネル。
何と言っても、Yさんは、「シャネラー」ですからね。
お化粧品は、全てシャネルで統一されています。
しかし、それらの扱いが何ともYさんらしい。
その高級化粧品たちが、小物カゴに無造作に突っ込まれています。
バンドエイドやオロナイン、マキロンとかと一緒に(笑)
思わず「CHANEL」のスペルを確認してしまいました。
「CHANNEL」になってないかとかね(笑)
でも、全て本物です。
で、当然、食料品も買われましたよ。
しかし、その日は、近鉄百貨店ではありませんでした。
上町筋を挟んだ向かい側にあるショッピング街「上本町(うえほんまち)ハイハイタウン」。
そうそう、買い物カゴは、借りてませんよ。
実は、その日は、ショッピング・カートを押して行かれたんです。
イメージとしては、こんなかんじ。
乳母車みたいに、前に押して行くタイプですね。
で、近鉄百貨店を後にして、そのハイハイタウンに向かうわけです。
しかし、そこへ向かうには、難関が待ち構えているのです。
上本町六丁目のスクランブル交差点。
道幅も広く、交通量も多いんです。
健常な方が横断するには、何の問題もありません。
青信号の時間も渡るに十分です。
しかし、歩行に障害のあるYさんにとっては、そうもいきません。
「足が痛いでしょ。だから、曽呂利新左エ門なんです。」
これも、Yさん辞書に追加しておいてください。
足が痛いYさん。
そろり、そろりとゆっくり歩かれるでしょ。
で、落語の始祖とも言われる「曽呂利新左エ門(そろり しんざえもん)」と、よくかけられます(笑)
つまり、曽呂利新左エ門では、途中で青信号が点滅しちゃうんです。
もちろん、赤信号になったところで、大丈夫。
Yさんにクラクションを鳴らす無謀なドライバーがいるわけではありません。
しかし、さすがに気を遣いますよね。
で、ここで、問題です。
Yさんは、その課題をクリアするために、どのような行動をとられたのでしょうか?
つまり、安心して、速やかに横断するために。
さあ、あなたなら、どうされますか?
ちょっと考えてみてください。
(考え中)
はい、では、正解にまいりましょう。
「で、どうされたんですか?」
「実は、お願いしたんです。」
「お願い・・・ですか?」
「そう、人に頼みました。」
「ほお、どなたに?」
「ちょうど今、近鉄の横で、工事をしているでしょ?」
「ああ、歌舞伎座の移転工事ですね。」
「そう、だから、歩道にガードマンのお兄ちゃんが立っていたんです。」
「なるほど。」
「で、そのお兄ちゃんにね、カートを押してもらったんです。」
「はあ、そうでしたか。」
なるほど、優しいお兄ちゃんですね。
って、持ち場を離れていいんでしょうか(笑)
「ほんと助かりましたよ。」
「じゃあ、Yさんは、杖も持って行かれたんですね。」
「いーえー。」
おや!?
これは、どういうことだ。
ガードマンのお兄ちゃんにカートを押してもらう。
身軽になったYさんは、杖をついて横断歩道を渡る。
そういうことでは、ないのだろうか?
「じゃあ、お兄ちゃんに介添えしてもらったんですか?」
「いーえー。」
つまり、脇を支えてもらって、歩行の補助をしてもらったのでは?
しかし、これも違うとおっしゃいます。
けれど、杖がなくては、横断歩道を渡ることなんて・・・。
「えっ、じゃあ、どうやって渡ったんですか?」
みなさん、いかがですか?
お分かりになりますか?
ここが、「伝説」になれるかどうかの分かれ目です。
はい、ゆっくり呼吸を調えてから、ご覧ください。
↓
↓
↓
「私がカートに座って、押してもらったんです。」
「・・・。」
みなさん、できますか?
そんなこと、頼めますか?
確かに、Yさんは、楽でしょう。
しかし、Yさんは、器量だけでなく、見た目からして、「大物」なんです。
体重が70kgある私よりも。
そのYさんに座りこまれたショッピング・カート。
きっとミシッと音を立てていたはず。
その重量感あふれるカートを押して、スクランブル交差点を渡るお兄ちゃん。
持ち場を離れて、そんなことをしているガードマンのお兄ちゃん。
何とも異様な光景ではないでしょうか?
これで、Yさんが、赤い風車でも握っていた日には。
まさしく「子連れ狼」そのものではないだろうか。
「大五郎」の名に恥じぬ大物ぶり。
しかも、ガードマンのお兄ちゃんの心情を察するに。
「自分はなぜ、こんなことをしているのだろう?」
そんな疑問に苛(さいな)まれながら、その重みを耐え忍んでいたはず。
その背中には、萬屋錦之助の拝一刀より、哀愁が漂っていたに違いない。
きっと道行く人々の涙を誘わずには、いられなかったことだろう。
う~む。
あらためて、恐るべし、黒魔術。
先日の記事でもご紹介しましたね。
人に頼みごとをすること。
これは、出来ない人には出来ないんです。
しかも、全く面識のないガードマンのお兄ちゃん。
お仕事中のお兄ちゃん。
まさかカートに座られるとは思っていなかったお兄ちゃん。
これは、執着心を捨てられないと出来ないハイレベルの頼みごと。
まさに、悟りの境地。
頼みごとが苦手なあなた。
是非、一度、Yさんにお会いされることをオススメします。
こういう生き方もあるんだなあと、肌で感じられることでしょう。
その自由奔放、天真爛漫さ。
黒魔術の教義は、かくも奥深いものだったのです。
今後も、伝説は、新たに刻まれていくことでしょう。
100話へ向けて、一歩、一歩。
例え、私が、志半ばで朽ち果てようとも・・・。
「死して、屍、拾う者無し。」
では、今宵はこのあたりで。
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