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みなさんの周囲でも養殖されてるかもしれません。
「いやあ、ほんとに何もする気がなくなってしまうんですよ。」
Wさんは、40代の男性。
大手企業のエリートサラリーマン。
お正月休み中にご来院頂きました。
普段は、過密なスケジュールを分刻みでこなしておられます。
いつもお忙しい合間を縫って、月1回くらいの割合で来て頂いてます。
「お正月くらいは、ごゆっくりされましたか?」
「はあ、ゆっくりしてたはずなんですけどね。」
「はい?」
「何もしてないのに、ぐったりして全く動けないんですよ。」
「どこか体調でも?」
「いや、特に思い当たることは・・・。」
「それでは、食べ過ぎや飲み過ぎでは?」
「いえ、忘年会疲れで、自宅では、ほとんど飲んでませんし、食欲もないもので。」
「でも、しんどいんですよね?」
「ええ、普段より・・・不思議ですねえ。」
「そういえば、去年のゴールデンウィークにも、そんなこと、おっしゃってませんでしたか?」
「はあ、そう言えば・・・あっ、お盆もですね(笑)」
少しまとまったお休み。
日ごろの疲れを癒すチャンスですね。
しかし、Wさんは、逆に、体調が悪くなられるんです。
確かに、レジャーの予定をギュウギュウ詰めにすれば、そんなこともあるでしょう。
しかし、自宅で静養されているはずなのに、身体も、心も重くなる。
どんよりと、何もする気がなくなるんだとか。
実は、Wさんだけではありません。
私は、こういう方を何人も拝見してきました。
『ノンストップ・マグロ症候群』
私が勝手に命名させてもらいました。
そう、止まれないんです。
何もせず、ボーッとすることが無理。
休息になるどころか、逆に、体調を崩してしまう。
何か予定を入れ続けて、突っ走っていないと生きていけないんです。
「ああ、忙しい。」
「ああ、疲れた。」
が、口グセです。
その割りに、週末にゆっくりしているかと言うと、されてないんです。
自ら進んで予定を入れていかれます。
しかし、ゴールデンウィークや年末年始など。
まとまった休みになると、さすがに全てに予定が入るわけではありません。
自宅でゆっくりされる日もあるんです。
ご自分でも、たまにはゆっくりしようって思われるんですね。
けど、できない。
これはね。
普段、緊張しっぱなしだからです。
ずっと走りっぱなしでしょ。
つまり、陰と陽の調和ができてないんです。
この場合は、「緊張」と「弛緩」。
「弛緩」が圧倒的に足りないんです。
いつも気力で緊張状態を無理やり保っておられます。
でも、肉体的にも、精神的にも、着実に疲れは蓄積していきます。
で、ほんとに弛緩してしまうと、その疲れが一気に噴出してきます。
当然、カラダは動いてほしくないので、動けないようにしてしまうわけです。
大体、ご本人も分っておられます。
「でも、私はそういう性分ですから。」
で、片付けられます。
そう片付けておられるのは、頭で考えた『私』。
生命としての『私』が、いつまでそれを許してくれるかです。
こういう方には、施術をして、多少楽になったところで先が見えてます。
同じことの繰り返しなんですね。
けど、それもご本人が「人生の選択」として選ばれた答えです。
それに、私がどうこう言えるものではありません。
「正しい」「間違ってる」は、ありませんからね。
かく言う私もサラリーマン時代は、同じようなことをしていました。
また、形は違えど、日々の生活でたくさんありますね。
「分っちゃいるけど、やめられない。」
私も、未だにその繰り返しです。
人間は、弱いものです。
他人を観てると、よく分ります。
でも、自分のことは、「分っている」けど、「できない」んです。
残念ながら、これに効くツボは、ありません。
鍼灸の古典をいくら読み返しても、こればかりは書いてません。
これに対する東洋哲学の教えは、ただひとつ。
「調和しなさい。」
調和していないと、ちゃんと現象で教えてくれます。
私たちは、ヒトです。
マグロではありません。
だから、マグロみたいな生き方をしていると、必ず不調和のサインが出て来ます。
いえ、出してくれるんでしょうね。
特に、マグロ症候群の方。
立ち止まられるときは、大概、重症。
いきなり脳卒中や心筋梗塞なんかで倒れやすいんです。
軽い症状なら、気合いで何とか乗り切ってしまいますから。
近年、国際的にマグロの漁獲高制限が叫ばれています。
しかし、この日本では、増えているように思います。
「マグロみたい」な生き方をされている方が。
はあ、これも他人事じゃないなあ。
新年早々、あらためて、学ばせて頂きました。
では、本年もよろしくお願い致します。
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