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その結束は固し。
行ってまいりました。
Yさん宅です。
「Yさん」でピンと来られない方は、こちらをどうぞ。
(Yさん伝説:1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58)
「実はもう売り切れちゃったんです。」
ドラマは突然に始まります。
「えっ、何がですか?」
Yさんは、キッチンの片隅を指差されます。
「ほら、あそこにあったでしょ。」
そうだ、思い出した。
アレだ、アレ。
確かに、「お住まい」であった段ボール箱がなくなっています。
「ああ、橙ですか?」
「そう、橙です。」
あの「チャレンジ・メニュー」が脳裏によみがえります。
それだけで、酸っぱいツバが出てきそうです。
「いやあ、残念ですねえ。」
言葉とは裏腹に、ほっぺのお肉が自然と上に挙がります。
「そうなのよ。先生にもう一回、召し上がって欲しかったのに・・・。」
「いやあ、また、来年の楽しみに取っておかせてもらいますよ。」
これで、来年まで「執行猶予」を頂きました。
鳩山内閣お得意の「問題先送り」ですね。
しかし、あの橙。
何に使われたのだろう?
「ところで、Yさん。」
「はい?」
「売り切れたって、どなたかに振舞われたんですか?」
その瞬間。
Yさんの瞳がキラリと光ります。
「そうなのよ。『ぼくちゃん』にお鍋をしてあげたんです。」
解説せねばなるまい。
新たな登場人物について。
『ぼくちゃん』とは、O信用金庫の営業マン、Iさんのことだ。
資産家のYさん宅には、様々な金融機関が出入りされます。
都銀、郵便局、信用金庫。
私も何度か遭遇したことがあります。
それぞれの企業には、独自の企業文化というものがあります。
しかし、結界に足を踏み入れた時点で、それははかなくも消え去るのです。
みなさん、例外なく、会話の主導権をYさんに握られておられました。
ところで、Yさんは、ご承知のとおり、柔軟な発想の持ち主でしょ?
だから、ニックネームを付けられるのがお得意。
で、信用金庫の営業マンであるIさん。
彼は、まだ20代。
いわゆる「兵隊」だ。
私も2度ほど、お会いしたことがあります。
色白で背が高く、優しそう。
いかにも育ちが良さそうで、真面目。
話し方も穏やかで、伏目がち。
Yさんの格好の餌食・・・いえ、可愛がられる好青年。
で、ついたあだ名が「ぼくちゃん」。
そうそう、他にもYさんに命名されている人たちがいますよ。
おなじみ「JT(ぜぇてぃー)」の営業マン。
現在の担当者さん。
礼儀正しく、言葉遣いも丁寧。
あまり感情を表に出さないタイプなんだとか。
で、ついたあだ名が『英国紳士』。
いやあ、うまいですねえ(笑)
さすがに、Yさんの世代ならではのネーミングですね。
そうそう、その前任者にもあだ名がついてました。
元々、東京出身の方で、3年ほど、関西勤務だったんだとか。
で、よりによって、Yたばこ店の担当。
「大阪」の洗礼をたっぷり受けられたことでしょう。
もちろん、東京弁。
で、ついたあだ名が『困っちゃう』。
(笑)(笑)(笑)
このネーミング。
実に奥が深いですよ。
「困っちゃう」って、確かに東京弁ですよね?
でもね。
東京弁なら、他にもたくさんあるわけですよ。
「~だよね」
「~でさ」
「~じゃん」
なのに、なぜ?
キーワードは、九官鳥です。
九官鳥は、ご主人様がいつもつぶやいている言葉を覚えてしまいます。
そう、Yさんの耳には、いつもインプットされていたわけです。
「それは、困っちゃうなぁ。」
相当、Yさんに無理を言われて来たんでしょうね(笑)
思わずそんな情景が頭に浮かんで噴き出してしまいました。
・・・お気持ち、痛いほど分かりますよ。
さて、話はIさんに戻ります。
Iさんのお勤め先の信用金庫は、Yさん宅のすぐ近所。
だから、よく立ち寄られます。
そりゃ、時々、お付き合いで預金してくれたりしますけどね。
そんなにしょっちゅう用事があるわけではありません。
Yさん曰く、
「ぼくちゃん、また、サボりに来たの?」
「はぁ・・・30分だけ休憩させてくれませんか?」
「ほな、何か作ってあげようか?」
面倒見のいいYさん。
私と同様、食卓にあがってもらうことも多いんだとか。
で、先日。
食虫植物に羽を休めるとんぼのように。
橙鍋の洗礼を受けられたようです。
私としては、誠に遺憾の意を表すとともに。
衷心よりお悔やみ申し上げる次第です。
おかげさまで、私への被害拡大を未然に防ぐことができました。
Iさん。
あなたの犠牲は、決して無駄に致しません。
今はその名を墓碑銘に刻み、昇天されんことを切にお祈りする次第です。
・・・合掌。
そう、私だけじゃないんです。
Yさん宅の敷居を跨ぐ者に課せられた宿命。
言葉は交わさなくとも、目で会話できるのです。
「そう、あなたもですか?」
「ええ、あなたもですね?」
この不思議な「絆」は、何だろう?
これは、Yさん被害者・・・いえ、「信奉者友の会」を結成せねばなるまい。
それぞれが別の人生を歩みながらも。
唯一、この一点で結び付く。
前世よりの「縁(えにし)」と言わずに何と言えようか?
ふと私の頭にある不安がよぎります。
「ところで、私には何かあだ名がついているんだろうか?」
こ、こわい。
想像するだけでこわい。
でも、知りたくて仕方ない。
まさしく「禁断の果実」だ。
でも、Yさんは、本人の前でもあだ名で呼んでおられますからね。
私には、ないかも。
まあ、もし、命名されているなら、そのうち、分かるでしょう。
その時は、すぐにご報告しますね(笑)
ってことで、長い前置きでした。
橙がなくなったということだけでしたね(笑)
で、その日の食卓での会話。
「ところで、Yさん。」
「はい?」
「今度のお料理会では、何を持って行かれるんですか?」
お料理会、つまり、伝説ライヴのことだ。
「そうねえ。何にしようかしらねえ。」
「みなさんには、『大阪を代表する創作料理家』ってお伝えしてますからね。」
「あら、プレッシャーかけるじゃないですか。」
「いえいえ、十分、名前負けしませんから。」
「ということは、ありきたりのモノじゃあダメね。」
「そうですよ。お手軽に出来て、ちょっと意外なお料理を。」
う~ん、と考え込まれるYさん。
数秒後。
ふと頭の右斜め上45度に電球が光るのが見えました。
「じゃあ、セロリの天ぷらで行こうかしら。」
えっ!?
「セロリですか?」
「そう、セロリです。」
「サラダじゃないんですね?」
「そんなの当たり前じゃないですか。」
「はあ、そうですね。」
初めて聞いたぞ、「セロリの天ぷら」なんて。
「これなら、お手軽にできるんです。」
「はあ・・・きっとおいしいんでしょうね?」
「そりゃ、もちろんよ。」
これは、もしかして、橙鍋に続く「チャンレンジ・メニュー」ではないのだろうか?
伝説ライブ参加者の方は、大いに気を引き締めて頂きたい。
身の危険を察知したら、速やかに照喜名先生へパスを通してください。
しっかりカバーして頂けることと存じます。
まるで、キューバのアタッカーの強烈なスパイクを膝頭が血だらけになりながら拾いまくるリベロのように。
ところが、念のため、「セロリの天ぷら」でググッってみると。
いちおう、「ググる」とは、検索サイトのグーグルで検索することですね。
そしたら、たくさんヒットするではないですか。
なんだ、私が知らなかっただけなんだ。
これは、失礼しました。
しかし、調理されるのは、あのYさん。
否が応にも期待は高まります。
けれども、「現時点では」ですからね。
Yさんのその日の気分次第で大きく変わる可能性大です。
多分、「セロリの天ぷら」と発言されたことさえ。
すでに、Yさんのご記憶にないことでしょうから(笑)
で、実は、この伝説ライヴ。
キャンセルが1名出ました。
また、定員10名にしておりました。
でも、もう少し入るみたいです。
ということで、緊急告知。
『Yさん伝説ライヴ』、追加募集~!
いつまでもあなたの「想像の世界」に閉じ込めておいていいのでしょうか?
実物は、あなたの右脳の限界をはるかに凌駕することでしょう。
さあ、ご自身の結界を破られる第一歩を踏み出して下さい。
募集内容は、前回と同様です。
それでは、ライヴでお会いできますことを楽しみにしております。
では、今宵はこのあたりで。
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